住民の皆様へ

 

拝啓 梅花の候、皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は当センターにご支援とご協力を賜り誠にありがとうございます。

さて、有田医師会は、在宅医療サポートセンターを和歌山県の委託事業として平成28年4月より開設、その後は3町(湯浅町、広川町、有田川町)の委託事業として運営してきました。相談員が病院の連携室から在宅医療への移行が困難な方などの支援をしたり、在宅医の紹介などの窓口となってきました。また、多職種との交流や専門職との課題検討、認知症フォーラムや医療と介護連携研修会の開催などに加え、地域住民への啓発活動も行ってきました。

しかし、諸般の事情により医師会が在宅医療サポートセンター事業を受託することが困難となり、令和6年4月より在宅医療サポートセンターの運営を行政に移管することになりました。移管後も当医師会はこれまでの経験を活かし、地域の皆様にとってよりよい在宅医療や医療サービスが継続的に提供されるよう全面的にサポートさせていただきます。

当医師会は医師会の理念である「生命尊重」「医療の質の向上」「地域に根ざした医療」を引き続き実践し、地域の皆様のお役に立つ存在であり続けたいと考えています。

今後も一層のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

敬具

 

令和6年2月14日
有田医師会在宅医療サポートセンター
センター長 松谷良清

 

 

サポートセンター相談員としての4年間を振り返って

令和2年初頭、前有田医師会在宅医療サポートセンター長の野田先生から相談員のお話しをいただきました。
 私はもともと介護の現場で長く働いてきました。家族の負担が増えてくると、家族の意思優先で施設入所となることが多いです。入所後まもなく施設や病院でお亡くなりになられるケースや、重度の認知症の利用者様が行方不明となり、踏切事故でお亡くなりになられるという事故に触れ、家族だけでなく地域で助け合うことで、住民の方が安心して自分らしく暮らし、住み慣れた家で最期を迎えられないものか、自分にも何かお手伝いできるのではないかという思いに背中を押され、相談員に就く決心を致しました。
 仕事を始めて1か月で新型コロナウイルス感染症が流行し、自分の思い描いた対面の活動が制限される中、感染対策を講じながら地域のサロンへ参加し、地域の方々と直接触れ合い、お話しさせていただくこともできました。その際自宅で逝くことを望んでいても家族の負担にはなりたくないと諦めているというお話も伺いました。

昨年2月には実父を自宅で看取りました。たくさんの方のお世話になり、病気そのものではなく、人として父本人を診て寄り添ってくださった在宅医・訪問看護師・ケアマネージャーさんをはじめ関わってくださった方々には感謝の念に耐えません。そして有田地域の皆さまがこのように最期を迎えてほしいと感じました。ただ長い入院生活でしたが、回復して帰宅すると思い込んでおり、私は多くの方々にアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の啓発をしてきたのに、私自身は父とはそういう話ができなかったことが心残りではあります。

他地域からの在宅医紹介においても難しい場面もありました。有田地域のような規模ですと在宅医療に対応できる医療機関は多くありません。看取りだけでなく、緩和ケア、褥瘡など在宅医療にはさまざまな課題も多いですが、一つずつクリアして、在宅での医療や最期を希望される全ての人が安心して住むことができる有田地域になることを願ってやみません。

今までありがとうございました。

 

有田医師会在宅医療サポートセンター
相談員 江川美奈江

 

令和6年4月1日より、相談窓口は以下となります。

 ・有田川町
 https://www.town.aridagawa.lg.jp/top/kakuka/kanaya/12/8572.html

 ・湯浅町
 https://www.town.yuasa.wakayama.jp/soshiki/7/4810.html

 ・広川町
 https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/juumin/news_hofuku_r060214.html

 

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